「ぼんやり」の大切さ~辰濃和男さんを囲んでのミニ講演会に参加して~

11月24日(日)、元朝日新聞記者の辰濃和男さんが20年以上の時間を過ごした倉真(大沢地区)において、ショートトリップ&ミニ講演会が行われました。スローライフ掛川のNPO設立10周年記念事業のひとつです。
辰濃さんは現在82歳。朝日新聞の「天声人語」を長く書かれていた方です。素敵なお話がいっぱいありましたので、レポートします。

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ミニ講演会の前に、まず辰濃さん自身が「らんだ庵」と名付けた古民家の見学も行われ、「この場所で“森にこもる”時間を過ごされたんだな」と実感することができました。
今回は、NPO法人時ノ寿の森クラブとの共同開催ということで、時ノ寿「森の駅」で温かな豚汁もいただきました。「森の駅」は、森からの木漏れ日が入ってとてもきれいでした。間伐をきちんとしていることで、日差しが入るのだと教えてもらいました。時ノ寿の森クラブの活動のことも、いろいろ伺うことができました。

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辰濃さんからは、掛川との出会い、「森にこもる」わけ、ぼんやりすることの大切さ、ぼんやりの先人たちのお話など、ゆっくりとお話を伺うことができました。
印象に残った言葉をご紹介しますね。

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辰濃和男さん講演会「森にこもる ~掛川でぼんやりの時間を過ごす~」より
●60歳前後で「森にこる」ことをしたかったのは、自分の「いま」、時代の「いま」を見つめるためには「いま」から離れてみたいという思いが強かったからかもしれない。

●「ぼんやりしようよ」と主張することは、「近代」を問い詰めることになる。近代化、都市化、高速化などは、たしかに街をにぎやかにしたし、便利にしたが、一方で「森」を奪い、「闇」を奪い、「静謐」を奪った。

●日々の暮らしの中で。私たちは「働」「緊張」「がんばり」に力点を置きすぎて、「休」「やわらぎ」「ぼんやり」の効能を片隅に追いやっているのではないか。ぼんやりした時間をもつことは、私たちに考える時間を与えてくれる。今という時代だからこそ、「ぼんやり」は大切なのではないか。

●最後に、辰濃さんから「雅な、たおやかな、掛川市になってほしい」との言葉をいただきました。
森の中、辰濃さんを囲んでゆっくりとお話を聞くことができたのは、とても大切な時間に思えました。こんな時代に「何がスローライフだ」ということを聞くこともありますが、今だからこそ「ぼんやり」や「スロー」が大事なのだと、改めて感じることのできた時間でした。

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